SDGsってなに?サステナブルとは?いま知っておきたい3つのキーワード

2020年を振り返ってみると、「このままで地球は大丈夫かな……」と心配になる災害が世界各地で起きました。

オーストラリア、カリフォルニア、アマゾンの森林火災はその規模の大きさに驚くだけでなく、残念ながら人や動物など多数の尊い命も犠牲になりました。日本では、7月の熊本県豪雨災害、2020年から2021年にかけて降り続いた豪雪が記憶に新しいところです

森林火災や異常気象は、「気候変動」と大きな関わりがあります。簡単に説明すると、二酸化炭素排出量が増えると、地球温暖化が進みます。気温の上昇に伴い、干ばつによる森林火災、異常気象、大型台風などの発生につながるわけです。

最近よく聞くようになった「SGDs」「エシカル」「サステナブル」という言葉は、気候変動や社会問題など、私たちの暮らす地球をよりよい状態に保つために必要なエッセンスです。とはいえ、具体的にどんな意味なのか、私たちは何をすればいいのかわかりにくいですよね。

そこで今回は、地球の未来に向けて知っておきたい3つのキーワードを解説していきます。用語を正しく理解することで、今日から地球のためにできる取り組みを探していきましょう。

 

SDGs(Sustainable Development Goals)

2015年9月に国連サミットの加盟国全会一致で採択され、日本語では「持続可能な開発目標」と呼びます。

貧困・環境問題・ジェンダーなど、世界各国が解決すべき問題の17のゴールと169のターゲットから構成されています。目指すのは、「『誰一人取り残さない』持続可能で多様性と包摂性ある社会実現」です。

169のターゲットは、各ゴールを達成するための具体的な内容です。例えば、「13:気候変動に具体的な対策を」には、5つのターゲットが設定され、「13.3 気候変動の緩和、適応、影響軽減及び早期警戒に関する教育、啓発、人的能力及び制度機能を改善する」などがあります。

“国際目標”と聞くと、ゴールを身近に感じられない人が多いかもしれません。でも実は、目標をよく噛み砕いてみると、私たちの生活でも実践できることがたくさんあるんです。

一番身近なところで、食品ロスの問題はどうでしょうか。食材を買ったけどうっかり腐らせてしまった、もしくは消費期限が過ぎてしまったから捨ててしまうという経験は誰しもあるはずです。

農林水産省※1によると、平成29年度の家庭における食品ロスは年間783万トン、そのうち284万トンは「まだ食べられたのに捨てられた食品」でした。世界では飢餓に苦しんでいる人がいる一方、まだ食べられる食品を捨てていることに違和感を覚えませんか?

食品ロスを減らすためのゴールは、持続可能な生産と消費について定めた「12:つくる責任 つかう責任」。食品ロス減少へのアプローチは主に2つあります。まずは国が法律や条例などによって廃棄にペナルティを設けたり、消費期限のルールを緩めたりすることで、廃棄数を減らすことが見込めます。

一方私たちの暮らしからは、「食べきれない分は買わない」「廃棄を出さない」「食べ物を残さない」など、今日から実践できることが見つかりますね。そして、SDGsの取り組みを積極的に行う企業を選ぶことでも、目標の達成に一歩近づきます。

ほかにも、暮らしに取り入れられる行動はたくさん。国連が発表している「持続可能な社会のために ナマケモノにもできるアクション・ガイド」もぜひチェックしてみてください。

 

サステナブル

SDGsの「S」でもあるサステナブルは、「持続可能な」という文脈で使われています。サステナブルな商品、サステナブルな経営といった感じです。

サステナブルの考え方は、「資源を使いすぎない」「環境を破壊しない」「二酸化炭素の排出を減らす」がメイン。ちょっとわかりにくいので、火力発電と風力や太陽光発電を例に考えてみましょう。

火力発電は、石油や石炭など化石燃料を燃やすことで電力を得ています。燃料が手に入らなくなれば、電力を生み出せず、また燃やすときに出る二酸化炭素によって地球温暖化にも影響を及ぼします。いつかは限界がやってきてしまうことが想像できますね。

一方で、風や太陽光は自然のもの。基本的に地球のどこでも自然発生し、なくなることはありません。二酸化炭素を排出しないので、再生可能エネルギーに分類され“サステナブルな電力”として注目を集めています。

サステナブルは、電力だけに限りません。繰り返し半永久的に使えるもの、製造の過程で環境破壊を行わないもの、使い終わった後に再利用の方法があるものなどさまざまです。

 

エシカル

エシカルは「倫理的な」という意味で、最近ではエシカル消費という使い方がよくされるようになりました。消費者庁は、エシカル消費を「地域の活性化や雇用などを含む、人・社会・地域・環境に配慮した消費行動」※2と定義しています。

例えば、SDGsの考えに則った行動もエシカルの一つ。地球環境のことを考えて、マイバックを使ったり、マイボトルでごみを出さないよう心がけたり、地産地消の食品を購入したりと多岐にわたります。

プラスチックバックの有料化や、大手コーヒーチェーン店でのプラスチックストロー廃止、フェアトレード商品も私たちの暮らしにあるエシカルです。

法律で強制されているわけではないけれど、一人ひとりが地球や社会に思いやりをもって暮らす。それがそれぞれの健やかな生活につながり、社会や世界を変える一歩となっていくという考え方です。

 

まずは、今日からできる小さな一歩を

「SDGs」は私たちが目指す目標、「サステナブル」「エシカル」は目標達成ために必要な視点と考えるとわかりやすいかもしれません。

ただし、すべてをエシカルでサステナブルな暮らしにするのは、まだまだ課題が山積みです。

環境に配慮した商品は、通常の品より割高な場合も多く、生活を切り詰めて暮らしが苦しくなってしまっては元も子もありません。

それでも取り返しがつかなくなる前に、一歩一歩できることを進めていくことも必要です。

私は、昨年車を手放しました。できるだけ公共交通機関や徒歩での移動を心がけています。ほかにも、ペットボトル飲料は買わない、野菜の切れ端でベジブロスを作る、フードロス商品を選ぶなど実践しています。小さな一歩ではありますが、私の選択が地球のためになると信じています。

ぜひ、今日から気軽に取り組める一歩を見つけて実践に移してみてはいかがでしょうか。

※1 出典:農林水産省『食品廃棄物等の利用状況等(平成29年度推計)』

※2 出典:消費者庁『エシカル消費とは』